薬剤師の求人の傾向は変わっているのか

薬剤師は求人がたくさんあって仕事を探すのにはとても有利だということがよく言われていました。ただ、その話が上がるようになってから年月が経っているので、今もなおそうなのか、今後もずっとその傾向が続くのかと心配になる人もいるでしょう。

この記事では薬剤師の求人の傾向が変わってきているのかどうかについて解説します。

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薬剤師の求人が活発に出されたきっかけ

薬剤師を雇おうという動きが起こったのには何か理由があったのかと気になる人もいるでしょう。実は薬剤師の求人が活発に行われるようになったのはきっかけがあります。日本における医療改革が進められていく中で、医療現場における無駄をなくしつつ、医療の質を向上させ、さらに医療費の削減を図れるような方策が模索されてきました。

その比較的初期に行われたのが医薬分業と院外処方箋の奨励です。診療報酬制度の改定によって病院や調剤薬局にとってもメリットがあるように制度が推し進められたため、国の方針に従って現場改革が進められてきました。

端的に言えば医薬分業によって病院での医療における薬剤師の立場が向上し、優秀な人材を必要数確保することが必要になりました。また、院外処方箋を出す形になったため、門前薬局の必要性が高まり、大量の院外処方箋に対応できるほどの薬剤師を調剤薬局が確保しなければならなくなったのです。

一日に一人の薬剤師が対応できる処方箋枚数も定められているため、ガイドラインの条件を満たせるように調剤薬局では薬剤師の数を確保しなければならなくなりました。このような改革の影響を受けて薬剤師の採用活動が活発になりましたが、その傾向に大きな変化は出てきているのでしょうか。

現状での傾向に違いはあるのか

結論から言えば全体として求人を積極的に出して薬剤師を採用する傾向はそのまま続いています。求人の全体数で見ると当初とそれほど大きな違いはなく、横ばいになっているのが現状です。しかし。求人の内容についてはだんだんと変化してきています。

そのため、当初は探しやすかった仕事の求人が見つかりにくくなっていたり、以前はやりたい仕事がなかった人にも別の選択肢が登場してきているのが実態です。以前、仕事探しをしてみてやりたいものが見つからずに諦めていた人も、時代の変遷とともに状況が変わることを考慮して求職活動をしてみるのは大切だと言えます。

薬剤師は売り手市場で転職や復職、再就職をしやすい状況に変わりはありませんが、選べる仕事のプロファイルが変わってきていることは念頭に置いておく必要があるでしょう。本当にやりたい仕事をスムーズに見つけられるかどうかに大きな違いがあるからです。

当初からあまり変わっていない部分と、大きな変化が生じた部分がどういうところなのかを確認していきましょう。

あまり変わってきていない傾向とは

薬剤師を取り巻く環境としては医療が基本になります。高齢化の影響や生活習慣病患者の増加、健康志向の高まりなどの影響を受けて医療に対する関心は高まっています。そのため、医療従事者の中でも医薬品のプロフェッショナルとして位置付けられている薬剤師の需要は高まり続けているのが実態です。

特に日本では病気のときにまずは飲み薬で治療したいという人が多いことから、手術などのケースに比べて薬物治療がよく選ばれます。

結果として処方箋の数が多くて調剤を担当する薬剤師の負担も大きくなっているのが一般的な現場の事情です。つまり、全体として薬剤師の需要が高くて求人を出して募集しなければならない傾向は維持されています。特に大きな変化がないのが調剤薬局です。

院外処方箋が増えてからは大手から中堅クラスの調剤薬局が店舗数を増やし、主に病院やクリニック街の門前薬局としての役割を果たしています。病院やクリニックの利用者が増えている影響で処方箋枚数も増加する傾向があり、それに応じられるように薬剤師も確保しなければならない状況が続いています。

薬剤師として働いている人は増えているものの、処方箋を処理しきれない状況が続いていることから求人活動は活発です。

大きく変化した傾向とは

大きく変化した点としては薬剤師の働ける職場が幅広くなったことです。規制緩和によって第二類医薬品まではOTC販売ができるようになりましたが、そのためには薬剤師の確保が必要になります。消費者の利便性を考えてインターネット通販も行われるようになり、注文をした消費者に対して責任を持って医薬品情報を提供できる薬剤師が通販事業ですら求められるようになっています。

店頭販売でもドラッグストアなどでは第二類医薬品や第三類医薬品を取り扱うことも多くなってきました。取扱店が増えれば卸業者や運送業者の必要性も高まるため、管理薬剤師の求人がよく出されるようになります。このような影響で薬剤師を必要とする現場が急増して働けるところが多くなっているのが現状です。

今後の傾向はどうなっていくのか

今後も薬剤師の求人は活発に行われていくのでしょうか。医療制度がどのように変化していくか、消費者の動向がどう変わっていくかによって薬剤師の募集傾向は大きく変化します。ただ、AIの導入によって調剤業務の負担を軽減する方向性も見出されてきている状況があり、長い目で見ると薬剤師の需要は現状よりも低下する可能性があるでしょう。

ただ、服薬指導をしたり、病院で患者のケアをしたりする役割は機械では難しい面もあるので需要が全くなくなることはないと考えられます。通販事業や物流系の管理薬剤師についても同様で、AIによって大勢の薬剤師を確保する必要がなくなったとしても、必要最低限の人数は現場にいる状況にしなければならないでしょう。

そのため、現状のように豊富な求人がある状況からは変化する可能性がありますが、薬剤師の必要性自体は失われることはありません。参考リンク→アポプラス ... 薬剤師求人

AIの技術発展と社会浸透の状況によって大きく左右されるのでAIの動向には注意しておかなければならないでしょう。

薬剤師の求人の傾向は変化してきている

薬剤師の需要が高騰して求人が豊富になってから年月が経ちましたが、それでもなお全体として需要は高いまま維持されています。今後はAIの影響によって需要が低下する可能性があるので注意は必要でしょう。しかし、今後も服薬指導や患者のケア、現場の責任者としての薬剤師の必要性があることには変わりはないと認識しておくのが賢明です。